外国人留学生を雇用する戦略

日本に留学で来ている外国人の方が,大学であったり短大であったり専門学校を卒業して日本で就職する割合ってご存知でしょうか?

答えは約30パーセントです。詳しい内訳は後ほどご紹介しますが,日本人だと大学卒の就職率は厚生労働省の発表だと90%以上は常に超えています。このギャップを,就労ビザ取得という観点で,どうすれば埋めれるかというお話を本記事でお話したいなと思います。

本記事を読んで頂ければ,事業者の方であれば将来的に外国人を採用したいと思った際に外国人留学生へのアプローチへの足掛かりになると思いますし,採用のための計画を立てやすいと思いますし。外国人の方で将来日本で働きたいという方には,学校の選び方や専攻の選び方の参考になると思います。

外国人留学生の進路状況

まず,外国人留学生の卒業後の進路状況を見ていきたいと思います。

大学院 (博士)19.4% 大学院 (修士)34.2% 大学(学部)41.8% 短期大学49.2% 専修学校28.0%ということです。全体の平均が31.1%になります。留学生が100人いれば,だいたい30人は日本に就職するイメージです。

そもそも外国人の留学生の人たちは,日本で就職したくないかというとそういう訳ではないと思います。日本における就職を希望する外国人留学生の状況のデータもありますので,見ていきたいと思います。

外国人の就職希望率

まず大学院 (博士)51.6% 大学院 (修士)67.7%大学(学部) 69.9% 短期大学64.8% 専修学校74.8%となっています。全体の平均が63.6%です。

外国人の方は,自分の帰る国があるわけですが,それでも日本の大学院,大学,専門学校に行く留学生の方々の7割は日本で働きたいといってくれてるわけです。ですが,実際は3割ぐらいの人が就職しているという結果になってるわけです。

この結果の理由は,留学生なので,どうやって就職活動すればいいかわからないとか文化的な問題もあると思います。日本語で就職活動しないといけないというハンデもあると思います。

実際,ビザを扱う仕事に携わってますと,もう一つ理由が思い当たります。それは就労ビザの制度があまり知られていないので,会社側が外国人の方を雇ったとしても就労ビザが取れないという事態になって結局,就労のチャンスを失ってしまうということです。

就労ビザがとりにくい専門学校卒業の外国人

では,順番に掘り下げていきたいと思います。まず,パッと見で就職希望の割合と就職率の差が大きく見える,専門学校から見ていきたいと思います。

日本での就職希望者の割合が多く,就職率が低い専門学校の留学生ですが,これはご相談の段階で,それだとビザの取得はかなり厳しいとお伝えすることが非常に多いです。

この理由は,今までの日本での就労ビザのメインは技術・人文知識・国際業務ビザというものがあって,専門学校卒業の方ですと,そのビザを取得していくという形におおよそなっていました。

ですが,この就労ビザは,学校で学んだ内容と業務内容に関連性がないと許可がおりません。あと単純作業・現業作業にも許可は下りません。

この事を知らずに先に採用してしまうと,雇ったけどビザ取れないという事態になるわけです。大学卒業の方も大学院卒業の方も,まずは技術・人文知識・国際業務ビザの取得を考えていくことになりますが,専門学校卒業の場合では,大学以上の卒業の場合と違って,学校で学んだ内容と業務内容の関連性がかなり強くないといけないです。

そういう点が理由で,就職希望者の割合と就職率のギャップが他に比べて大きくなっているのかなとも思います。もしこれから,日本に留学しようと思われてる方は,専門学校に通う時は,将来働きたい職業と関連する学科を専攻すると良いと思います。

それにあわせて,今は特定技能というビザ制度もありますので,専門学校に通っている間に日本語能力試験と技能試験の対策をしっかりしておくと,日本で就労ビザが取れるチャンスが増えるので可能性は広がるかなと思います。

比較的就労ビザが取りやすい大学卒業の外国人

では次に,短期大学,大学,大学院卒業ですが専門学校卒業と同じように,まずは技術・人文知識・国際業務ビザの取得を考えて,将来働きたい職業と関連のある学科を専攻するようにしましょう。

この就労ビザは,学校で学んだ内容と業務内容に関連性が必要になりますが専門学校卒ほどの関連性の強さは求められません。あと大学に通っている間に,日本語能力試験と技能試験の対策もしておくと良いと思います。

大学4年間通っていたら,割と簡単にパスできると思います。そうしておくと,特定技能ビザの可能性も残しておくことができますので,あと短期大学以外の日本の大学卒以上であれば,日本語能力試験N1レベルを取得すると特定活動46号というビザの取得できる可能性もできるためかなりお勧めです。

ですので,これから大学に通う留学生の方もしくは既に日本の大学に在籍している留学生の方は,特定技能試験のために日本語能力試験と技能試験を勉強した上で,日本語能力試験N1を目指すと日本での就職の際にビザはある程度なんとかなるとは思います。

よくある質問

余談になりますが,外国人の方,登録支援機関の方,人材紹介業者の方と,外国人雇用に関係する方から色々質問頂きます。特に新しく登録支援機関や人材紹介業をしたいって方が共通して聞いてくる質問が,どうやって外国人の方集めれば良いんですか?ってことです。

僕のおすすめとして,外国人の留学生の方を対象とした,日本語試験と技能試験対策の塾であったり,通信教育のプラットフォームがあると良いなと思いますと答えてます。日本語能力試験の対策は特定技能の基準を満たすN4レベルと特定活動46号の基準のN1レベルを目標としたものです。

では,今回は,外国人留学生の就労ビザを取るために,どういう選択をするといいかというお話でした。

外国人の雇用・転職に関する就労ビザのご相談

外国人ビザについてご相談されたい方は,当事務所のホームページのお問い合わせからご相談ください。メール相談は原則無料にしております。

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