飲食業で外国人を雇う際のビザ

本記事では,飲食業で外国人を雇用する際に必要な在留資格(ビザ)について解説します。

可能性がある在留資格(ビザ)

飲食業で外国人を雇用する場合,通常取得できる可能性がある就労ビザは特定技能,特定活動46号,技能,技術・人文知識・国際業務になってくると思います。就労ビザは取得のための要件と業務範囲がそれぞれ異なりますので,しっかり確認しておく必要があります。

また,就労ビザではないですが身分系ビザをお持ちの方や,一週間の間に働ける時間制限がありますが資格外活動許可 (外国人留学生アルバイト、家族滞在) を取ってアルバイトという形も飲食業では可能性があると思います。

特定技能

2019年から始まった新しいビザ制度の特定技能は,今までの単純作業と考えられる業務は出来なかった従来の就労ビザと違い単純作業・現業作業が認められるビザ制度です。

飲食業での主な業務としては店舗管理 ,飲食物調理,接客に従事することになります 。 技能試験等で立証された能力を用いて店舗管理 ,飲食物調理,接客に幅広く従事する必要がありま す。

職場の状況に応じて,許可された在留期間の一部 の期間において調理担当に配置されるなど,特定の業務にのみ従事することもできると定められています。

〇 外食業分野の1号特定技能外国人を受け入れることができる事業者は,日 本標準産業分類上,「飲食店」又は「持ち帰り・配達飲食サービス業」に分類 される経済活動を行っている事業者とします。

〇 1号特定技能外国人を受け入れる事業者は,1号特定技能外国人を「飲食店」 又は「持ち帰り・配達飲食サービス業」に分類される事業所に就労させる必要があり ます。

○ また,分野別運用要領に記載するとおり,当該業務に従事する日本人が通 常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありませ ん。

○ なお,関連業務に当たり得るものとして,例えば,次のものが想定されま す(注)。 (注)専ら関連業務に従事することは認められません。(1)原材料や消耗品等の調達,受入れの業務 (2)調理品等の配達業務

資格

特定技能ビザの取得には,このビザを取得する外国人の方が技能試験と日本語能力試験に合格する必要があります。

  • 外食業特定技能1号技能測定試験の合格
  • 日本語能力試験(N4以上)の合格 or 国際交流基金日本語基礎テストの合格

技能実習2号修了者(良好に修了している方)

医療・福祉施設給食製造技能実習評価試験(専門級)の実技試験の合格していれば, 技能試験及び日本語試験等が免除されます。(2018年の11月に技能実習に職種追加)

特定活動46号

他に飲食業で取得可能性のあるビザは,特定活動46号になります。この特定活動46号での業務範囲は 以下のようになります。

飲食店に採用され,店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うもの(それに併せて,日本人に対する接客を行うことを含む。)。 ※ 厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。

学歴と資格

日本の大学・大学院を卒業された方だけになります。日本の大学・大学院の卒業に合わせて, 日本語能力試験N1レベルかBJTビジネス日本語能力テスト480点以上のスコア を取得している必要があります。

技能

次に,技能ビザですが,このビザは外国人料理人が日本で料理人として就労する際に必要なビザになります。

実務経験

実務経験10年以上が必要です。この実務経験の立証は,しっかり立証する必要があります。詳しくは,外国人料理人のためのビザ,技能の解説ページをご覧ください。

技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務では,入管や入管法で単純作業,現業作業と考えられている業務に従事することができません。飲食業で,この技術・人文知識・国際業務ビザの取得が考えられる場面は,外国人の方がマーケティングや総務,そして人事等の業務に従事する時です。

学歴・実務経験

技術・人文知識・国際業務ビザの取得では,ビザを取得する外国人に一定以上の学歴か実務経験が必要になります。

まず,学歴ですが大学卒以上( 短期大学卒も可 )である必要があります。専門学校卒業でも,許可基準を満たしますが,日本にある専門学校に限ります。また学んだ科目と従事する業務が関連している必要もあります。

実務経験で, 技術・人文知識・国際業務ビザの取得を考える場合は,10年以上の実務経験が必要になります。この実務経験はビザの申請書類でご自身で立証する必要があります。もし,通訳・翻訳業務に従事するならば3年以上の実務経験で基準を満たします。

資格外活動許可

他に,飲食業で外国人の方が働ける可能性があるものは、ビザではありませんが資格外活動許可という制度があります。

留学ビザや家族滞在ビザを持っている方が、アルバイトをする時に,この資格外活動許可を取得する必要があります。

留学生

留学生の本業は、学生ですので、資格外活動許可を取ってもアルバイトをする際に制限があります。

  • 1週間28時間以内
  • 長期休暇中は1日8時間以内

留学生がアルバイトをする時は、上の働ける時間の制限をしっかり守りましょう。長期休暇は、ただ休みが長いだけではダメです。学校の規則で設定されている長期休暇であることが必要です。

これらのルールをしっかり守らないと厳しい罰則が雇っている側,雇われている側の両者にあります。うっかりと違法行為をしていたという事態が本当に多いですので,必ず確認をしてください。

家族滞在
  • 1週間28時間以内

家族滞在ビザでは、長期休暇という考え方が無いため,留学生とは違い,1週間28時間以内というルールしかありません。

身分系ビザ

飲食業で働ける可能性のある外国人の方は身分系ビザをお持ちの方です。日本人の配偶者等ビザ,永住者ビザ(の配偶者等),定住者ビザが身分系ビザと言われます。

身分系ビザは就労ビザと違い活動が制限されていませので,日本人のように働く事ができます。

外国人の雇用・転職に関する就労ビザのご相談

外国人ビザについてご相談されたい方は,当事務所のホームページのお問い合わせからご相談ください。メール相談は原則無料にしております。

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