技能実習制度廃止、新制度「育成就労」が始まる

目次

新しい制度「育成就労(仮)」の位置づけのイメージ

技能実習制度及び特定技能制度の概要

本来、技能実習制度は外国人に日本の優れた技術を学んで貰い、自国でその学んだ技術を生かしその国を発展させるという国際貢献が目的で作られた制度です。しかし、日本の人材不足が深刻になるにつれ、現在、技能実習制度は本来の趣旨とは外れた形で利用されています。

そのような状況の下、特定技能制度が制定されました。特定技能制度は、日本の人手不足を補うために外国人材を受け入れることを目的としています。特に地方や中小零細企業における人手不足が深刻で、特定技能制度でその人手不足を解消しようとしているのですが、状況はあまり好転しているとは言えません。

新しいビザ制度「育成就労」が出来る背景

今、実状、人材不足の解消手段として技能実習制度と特定技能制度が利用されています。しかし、上述の様に国際貢献を目的とした技能実習制度を無理やり人材不足解消の手段として利用しているため、海外からも問題視されるぐらいに深刻な問題が起きていました。

この深刻な問題の再発防止や、人材不足を解消するために特定技能制度が近年作られましたが、技能実習制度で受け入れる事が出来る職種と特定技能で受け入れることが出来る分野が異なり、技能実習制度から特定技能への移行がスムーズにいかなかったりと少し利用しづらい制度になっています。

技能実習制度の見直しと特定技能制度の改善を行い、現行の技能実習制度廃止し、新たな制度を創設することで、人手不足分野における人材確保と育成を目指すこととなりました​​。技能実習を廃止して、それに代わる制度が「育成就労(仮)」です。

本記事は、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第16回)の最終報告書」に基づいて作成しております。制度が最終的に確定するまでは不確かな情報ですので、あくまで参考程度として認識して頂けると幸いです。

外国人材確保の仕組み

新たな制度「育成就労(仮)」では、現行の技能実習制度から機械的に職種を引き継がず、新たに設定するということです。

現在、技能実習制度で受け入れ可能職種と特定技能で受け入れ可能分野が異なり技能実習を終えても特定技能に移行できず、「働き続けたいのに働き続けることができない」「雇い続けたいのに雇い続けれない」ということが結構あります。それを解消するために技能実習廃止後の新制度は特定技能と分野を合わせる方向ということです。

新たな制度「育成就労(仮)」は特定技能1号への移行に向けた人材育成を目的としつつ、人手不足分野における特定技能制度の「特定産業分野」に限定するということです​​。これは、人手不足だからといって制限せずに外国人の方の就労を認めてしまうと、日本人の雇用の機会まで失ってしまいますので、そのバランスを取る必要があるので限定されているのだろうと思います。

人材育成の仕組み

新たな制度「育成就労(仮)」では、外国人が従事できる業務の範囲を広げ、特定技能の業務区分と同一ににする方向だそうです。技能検定試験や日本語能力試験の合格が要件とされます​​。

ただ、これも特定技能の前段階のビザという位置づけになるので、そこまで高度な技能や日本語能力を求められないようです。以下は報告書によるものです。

新しい制度「育成就労(仮)」の能力要件

・日本語能力試験N5等の合格(就労開始前)又は相当の日本語講習の受講
・技能検定試験基礎級等(就労後1年までに)及び日本語能力試験N5等の受験

「育成就労(仮)」から特定技能への能力要件

①技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験合格
②日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)合格

試験不合格でも、救済措置を規定するかもしれないとのことです。

転職に関して(外国人の人権保護と労働権の向上)

「育成就労(仮)」では、転籍の範囲を拡大し、手続きを柔軟化するとのことです。
転籍の要件ですが、まだ確実なものとは言えませんが参考として

ア 同一の受入れ機関における就労期間が1年超
イ 技能検定試験基礎級等及び日本語能力A1相当以上の試験(日本語能
力試験N5等)の合格
ウ 転籍先となる受入れ機関が、転籍先として適切であると認められる一
定の要件を満たすこと

が最終報告書に挙げられています。

外国人本人の意向に基づく転籍を同一業務区分内で限定的に認め、外国人技能実習機構を改組して支援・保護機能を強化するとのことです​​。

また、転籍前の企業が支出した初期費用等について、転籍後の企業に分担させる制度も取り入れる旨が報告書には記載されています。

監理団体と登録支援機関について(制度の適正化と実効性の確保)

新たな機構の監督指導機能や支援・保護機能を強化し、監理団体や受入れ機関の適正化を図ります。優良な団体に対してはインセンティブを設け、制度全体の適正化に取り組むこととします​​。

報告書を読む限りですと、登録要件が厳しくなりそうです。

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