建設業許可の更新は自分で出来るのかですが、結論から言うと「出来る」です。
たまに誤解されている方がいらっしゃいますが、必ずしも行政書士を通して手続きをしなければいけない訳ではないです。
どんな事にも言える事ですが、例えば、弁護士さんの裁判であったり、司法書士さんの登記であったり、税理士さんの税の申告であったりは、自分でやろうと思えば出来る事です。ただ、専門性が高いため専門家に任せた方が確実で早いです。建設業許可の申請・維持も大変専門性が高いものですので、同じように専門家に任せた方が確実で早いという事です。
そして、私の経験からご自身で申請する人の多くは書類が複雑で途中で諦めてしまったり、過去にしておくべきであった手続きをしておらず、自身で対応が難しく最終的に我々のような専門家に頼ることになるという方は非常に多いと感じます。
自分で更新することを諦めてしまう理由
自身で更新することを諦めてしまう理由は様々だと思いますが、大きく分けて①単純に更新申請のための書類が多く複雑②建設業許可取得後、必要な手続きが出来ていなくて許可の性質を勉強すればするほど不安になってくると言うのが理由になってくると思います。
①単純に更新申請のための書類が多く複雑
まず、建設業許可の新規申請・更新申請をする場合「手引き」と言うものを読むことになります。この「手引き」は、許可を取得しようとしている行政庁が発行している「手引き」を手に入れる必要があります。
例えば、大阪で建設業許可の取得を考えている場合、大阪府が発行している「手引き」を入手する必要があると言う事です。
リンク先は、大阪府の建設業許可申請の手引きですが、ざっと目を通して頂くとわかると思いますが申請をするだけでも、この100ページを超える手引きを読む必要がありますし、また手引きの中に書かれている提出書類も馴染みがないものばかりで、そして種類も多いです。
なので、申請書類を作成して集めるだけでも、かなりの労力が必要です。また申請書類一式を集め切ったとしても、提出段階で書類が不完全ということで、申請先の職員が申請書類を受理しないという事態はよく起こる事です。その煩わしさや、期限までの残り時間を考慮して最終的には専門家に任せた方が早いと思われる方は多いと思います。
②建設業許可取得後、必要な手続きが出来ていない
上記①の理由は、建設業許可更新申請に限らず、新規申請にも共通して言える事でした。しかし、この②の理由は、更新申請についてだけに言えることになります。
建設業許可は申請して許可を取得すること事態も難しいですが、許可を取得した後、その許可を維持するのも大変難しいです。
実際、どういった点が難しいかと言いますと、毎年、決算変更届という届出をしないといけません。この決算変更届は、工事経歴書や財務諸表等で構成されます。そして財務諸表は建設業法に則って作成することになりますので、その点は注意が必要です。
更に将来的に公共工事を受注したいと考えている場合は、経営事項審査に沿った形で決算変更届を作成する必要があります。
また、経営管理責任者や専任技術者等の建設業許可の重要な要素が変更する場合も変更届という届出をしないといけません。
こうした責任者や技術者の変更の際に、要件を満たした責任者や技術者がいない期間を作らないようにしないといけません。そういった期間ができてしまった場合、建設業許可が無くなってしまいますので、細心の注意が必要です。
まとめ
建設業許可は、大変専門性が高いものです。ご自身で申請すると一見、節約になるように見えますが、許可の維持や将来の事業の拡大を考慮すると専門家に任せた方が、建設業者さんも本業だけに集中でき、結果として安上がりになると思います。