目的のない貯金・一定金額以上の貯金
最初に、生活保護を受けている人々は、貯金はできないと思い込んでいる人も多いですが、これは大きな誤解です。
貯金の目的が明確で正当な理由がある場合、生活保護受給者でも貯金は認められ得ます。
また10万円程度の貯金に関しては、どの世帯であっても貯金は認められ得ます。
貯金の目的・正当な理由とは
生活保護の支給額には、一般的に予想される生活必需品に関する費用も含まれる「生活扶助費」という項目が存在します。
少し分かりにくい表現になっていますが、かみ砕いて表現すると、家電などが壊れた場合の修理費も事前に生活扶助費として渡されてるから、壊れた時に備えて買い替え費用・修理費用は確保してくださいね!ということです。
家具什器費
生活保護の支給額には、「家具什器費」という項目が含まれているため、家具や家電が壊れた場合にはこの費用から支給されるのかと考える方もいるかもしれません。しかし、実際には家具什器費の支給は以下の状況に限られます。
- 生活保護が開始される際
- 災害に遭った場合
- 退院または施設から退所し、新たに自立する際
これらの特定の状況において、家具什器費が支給されます。
つまり、それ以外の状況で家具が壊れた場合、自身の貯金を切り崩して修理又は買い替える必要があります。貯金が無く修理・買い替えが出来ない場合であっても、福祉事務所は対応してくれません。
したがって、ある程度貯金をする必要もありますし、その貯金は認められています。
子どもの入学準備金・資格取得費
金額については、担当ケースワーカーが個別に判断しますので、「これは認められる」と一概に言えません。しかしながら、家具などだけでなく、子どもの入学準備費や資格取得のための貯金としている場合には、多くの場合、認められることが多いと考えられます。
これらの費用は教育扶助又は生業扶助として申請すれば受給出来得るのですが、扶助だけで足りないこともあるため差額を補填するための貯金は認められ得るのです。
住んでいない土地の所有
不動産は資産の一つとして考えられます。使用されていない土地や居住していない建物を所有している場合、これらを売却して資産を活用することが必要になります。
ただし、自身が居住している住宅を売却する必要はありません。注意すべきなのは、使用されていない土地や建物です。
厚生労働省の基準によれば、標準的な3人世帯の生活扶助基準額に同住宅扶助特別基準額を加えた金額の約10年分(約2千万円)を目安としているようです。
要するに、不必要に大きな住宅に住んでいる場合は、売却しないといけなくなります。
生活に必要のない高価な物の所有
高価な物であっても、生活に不可欠なものは制限されません。ただし、それが生活に必要かどうかの判断はケースワーカーに委ねられており、独自の判断で所有することは避けるべきです。
例えば、高級ブランドのアクセサリー、バッグ、腕時計は売却することでかなりの金額になる可能性があります。そのため、原則として高級ブランド品を所有することは認められません。
貯蓄型の保険の加入
資産の一部として、貯蓄型の保険も含まれます。
保険は一般的に「掛け捨て型」と「貯蓄型」に分けられます。
掛け捨て型保険は、保険料が比較的安価である代わりに、解約しても解約返戻金を受け取ることができない保険です。したがって、通常は解約の必要はありません。
一方、貯蓄型保険には「終身保険」や「養老保険」などが含まれます。これらの保険は一生涯にわたり保障を提供し、解約すると保険料を支払った期間に応じて解約返戻金を受け取ることができます。
貯蓄型の保険に加入している場合、解約して解約返戻金を受け取るように勧められることがあるかもしれません。この点を理解し、保険契約を適切に管理することが重要です。
また、生活保護受給者は、各種保険に加入が認められない場合があります。なぜなら、生活保護には様々な扶助が含まれており、例えば教育扶助、医療扶助、葬祭扶助などがあり、これらの支援が生活保護受給者に提供されるため、保険に加入する必要がないことからです。
借金の返済
生活保護費で借金を返済することは禁止されています。
生活保護を必要とする人が借金のために生活保護を受けることは認められていますが、借金自体は自己破産のような生活保護以外の手段で解決する必要があります。
また新たに借金をすることは禁止されていないため、厳密にはしてはいけないことではありません。ただし、生活保護費を借金の返済に充てることはできないため、実際にはできないことと言えます。
各種ローンの利用
生活保護は、生計を立てるための基本的な生活費を支援するための制度であり、その目的は生活費に充てることです。そのため、生活保護を利用して借金の返済を行うことは認められていません。また、新たな借入をすることも基本的には許可されていません。
ローンを組むことは、現在の資金では高額な購入が難しい場合に、分割払いで購入することを指します。しかし、生活保護の趣旨に反するため、車や住宅ローンを含む高額なローンの組み込みは許可されていないことを理解しておくべきです。生活保護は基本的な生活費の支援を目的とし、それ以外の目的には使用できません。
自動車・バイクの所有・利用
自動車やバイクを売却することで生活をするのに十分な金銭を得ることができるため、自動車やバイクの所有は原則認められません。また、持ち家同様にローンを抱えていることや、ガソリン代などの維持費がかかること、公共交通機関が利用可能な場合、自動車やバイクの所有は必須ではありません。そのため、生活保護を受給すると自動車やバイクを所有することはできなくなります。
また、事故を起こした場合に損害賠償などの支払いができる能力が認められないため、所有だけでなく運転自体も禁じられます。ただし、一定の条件が整った場合、特別な許可を得て所有することが認められることもあることに留意してください。
ケースワーカーの指導に従わないこと
生活保護を受給すると、担当のケースワーカーが割り当てられます。
担当ケースワーカーは、生活保護受給者の相談に応じ、様々な調査を行います。生活指導、通院指導、就労指導など、生活保護受給者が精神的にも経済的にも自立できるようにアドバイスや支援を行う役割を担っています。
生活保護を受ける立場にある場合、治療に専念する、就職活動を行うなど、さまざまな義務があり、ケースワーカーは受給者に対して様々な決定権を持っています。
したがって、ケースワーカーからの指示には必ず従わなければなりません。ケースワーカーの指示に従わない場合、最悪の場合、生活保護を受ける資格が取り消される可能性があるため、注意が必要です。
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