技能試験の受験資格拡大
本記事では,特定技能の技能試験が国内でも受験が可能になるというニュースについてのご紹介です。
本記事を読んで欲しい方
本記事を読んで頂ければ,事業者の方であればビジネスチャンスと思って頂けるかもしれませんし,外国人の方で日本で働きたいという方には,新しい制度の勉強になって希望が見えるかなと思います。
特定技能のビザ取得者数の推移

特定技能ビザ制度は,2019年の4月から始まりました。2020年2月の現段階では,ちょっと使いにくい点がありまして,あまり特定技能ビザを取得できる人・取得した人が少ないなと感じております。現段階では特定技能ビザより,特定活動46号ビザの方を凄くおすすめしていたりします。
特定技能ビザで在留する外国人の方の人数は,2019年4月からこの制度が始まって6月末時点で20人,9月末時点で219人,そして,この219人のうち176人が技能実習2号からの移行組になります。
特定技能ビザを取得するには、技能や日本語の試験に合格するパターンと、約3年以上の技能実習で経験を積んだ方が試験が免除されるというパターンがあります。
この数字から読み取れることは新規で特定技能を取った人っていうのは凄く少なかったということになります。
そして11月8日時点で895人,11月末時点で1019人,政府としては今年度約4万7千人の受け入れを見込んでいたとのことです。
見込んでいた数字より,大きく下回っていたということになるんですが,これには,理由があって,実際に特定技能ビザ制度はちょっとつかいにくい点があります。
制度・手続きが固まっていない
まず1つ目の理由ですが,制度・手続きが固まっていなくて様子見の専門家・事業者の方が多かったイメージがあります。ですが,これからは,結構増えてくると思います。制度が始まった頃より,制度・手続きも固まってきていますので,事業として参入するなら今がチャンスとは思います。
技能試験を受ける機会が少なかった

2つ目の理由ですが,そもそも特定技能ビザを取るための前提である技能試験の実施が少なくて外国では,試験が受けれなかった。
それに合わせて,海外では試験そのものがないので,特定技能ビザを取りたい外国人の方が日本に受けに来ようと思っても,制度上,短期滞在で試験を受けることはできなかった。
この試験を受けれる外国人の方は,日本に中長期在留のビザでいる方,過去に中長期在留のビザを持ってた方しか試験が受けれなかった。ですので,そもそも新規で日本に来るというパターンが凄く少なかった。
技能試験の免除が受けれる技能実習生2号修了者

技能試験の免除が受けれる技能実習生2号修了者に関しても,技能実習の2号対象職種であっても,特定技能ビザが取れる職種では無いパターンもあったりします。海外の外国人の送り出し機関も,スキームがうまく組めなかったというのも背景にあると思います。
日本人を雇うより,コストが高くなる
3つ目の理由は,日本人を雇うより,コストが高くなるということです。この点に関しては,支援機関のサービス内容でなんとかなる点ではあると思います。
特定技能ビザを取得する際に,会社単独で,ビザを維持できるなら雇用のコストは日本人と変わりませんが,会社単独で特定技能ビザを維持できない場合,お給料にプラスして登録支援機関の数万円,費用がかかるので,その点も理由になると思います。
2020年4月より,技能試験が国内受験可能になる
令和2年4月1日から国内試験の受験資格が拡大されます。 これは上の2つ目の理由が部分的に解消されるものです。
これまでは,日本国内で受験できる方は,中長期在留者か過去に中長期在留者として在留していた経験がある方などに限られていました。過去に日本に中長期在留した経験がない方などは,受験が認められていませんでした。
令和2年4月1日以降は,短期滞在ビザを持つ方でも受験が可能(中長期在留歴がなくても受験可能)となります。
在留資格を持つ方であれば
(1)中長期在留者でなく,かつ,過去に日本に中長期在留者として在留した経験がない方
(2)退学・除籍留学生
(3)失踪した技能実習生
も日本国内において受験することが可能になるということなんですね。
技能試験の海外での実施も整備されて今回の変更と合わされば,特定技能ビザに関連する事業者の方もスキームが組みやすくなりますので,一つ目の理由の様子見の専門家・事業者も本格的に参入してくるのではと思っています。
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