今回は、今ネットで大炎上している「富士山を見たいから勝手に木を切った事件」についてお話しします。3年前、山梨県の富士河口湖町で、中国人ホテル経営者の男性が、「富士山が見えないから」と他人の土地に生えていた 23本の木を無断で伐採。
しかも切っただけでなく、根元に穴を開けて除草剤を流し込み、木を枯らしたという事件があり、8月18日に判決が出ました。
判決は懲役1年、執行猶予3年とのことです。
ネットで話題となった裁判での一言
今回、この木の伐採自体も大炎上したのですが、さらに大炎上したことがあります。
裁判内で謝罪の前に「日本国籍を取得したいから今回の事件で影響がないようにしたい」という旨を言ったらしく、ネットではこの発言が大炎上しています。
判決は懲役1年、執行猶予3年。
裁判長「反省の態度を見せている」とのことで、ネットではさらに大炎上ですが、裁判長は「身勝手な犯行であって、厳しい非難に値する」とも言っています。
ネット上では、執行猶予なんかつけるな、とか強制出国させろのような言葉がなげつけられていますが、
今回の件、日本国籍を取得したいというこの中国人の方が日本国籍を取得できるのか、加えて、日本に継続しているための在留資格、いわゆるビザを維持できるのか見ていきたいと思います。
情報の整理
まず、情報を整理します。この中国人の方の情報が全てわかってるわけではないので、あくまで在留資格は推測ですが
- 永住権ではなく帰化を望んで選んでいるのは、帰化の方が早めにとれそうと思っている。
→だから多分、永住ではない。 - ホテルの経営者なので→在留資格「経営・管理」
なので、この動画では、在留資格「経営・管理」と仮定したいと思います。
あと、状況は、経営しているホテルから富士山が見えるようにと他人の木無断伐採と除草剤を根元に流し込む、事件後、海外に逃亡、助成金不正受給3800万円(不明)。不確かなので、ここは考慮にいれないです。個人的に助成金にひっかかっています。
在留資格への影響
そしてこの在留資格「経営・管理」ですが、維持ができるかというと、8割・9割がた更新が不許可になると思います。
ここで、ビザの変更・更新で入管の審査基準である「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」にある要件を見てみます。
ガイドライン
1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
3 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
4 素行が不良でないこと
5 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
6 雇用・労働条件が適正であること
7 納税義務等を履行していること
8 入管法に定める届出等の義務を履行していること
です。この要件を満たさないとビザの更新・変更は認められません。
素行不良
そして、今回の件は素行が不良でないこと、の要件に引っかかると思われますので、かなり高い可能性で、ビザの更新の際に不許可になると思います。不許可になるということは、帰国するということです。この方の場合、執行猶予がついているとは言え、1年以上の懲役なので、上陸拒否事由に該当してよほどのことがないと日本に入ってこれなくなると思います(5条1項4号)
帰化への影響
次帰化について、要件は以下の通りです。
帰化要件
1.住所条件
2.能力条件
3.素行条件
4.生計条件
5.重国籍防止条件
6.憲法遵守条件
簡単に解説すると、1.住所条件は引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。
2.能力条件は18歳以上、3.素行条件、素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、納税状況、犯罪歴の有無・態様、社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し、社会通念に照らして判断されます。
4.生計条件、日本で自分で生活していける経済力が必要です。5.重国籍防止条件は二重国籍にならないように、日本国籍になったら元々の国籍をなくせる必要があります。6.憲法遵守条件は日本政府を暴力で破壊するような人とか団体でないこと、あとプラスアルファで日本語能力が必要です。
素行不良
そして、今回の件は、ビザの更新と同じように3.素行条件でひっかかると思われます。素行条件は、審査が厳しくなっているといわれていて、帰化の不許可率は20年前と比べると15倍以上になってますし、不許可数は増加傾向にあります。
住所要件
あと、先ほど紹介したとおりに経営管理ビザが不許可になって、時間をおいて何らかの方法で日本に帰ってこれたとしても、1.住所条件の引き続き5年以上日本に住んでいることのカウントが0になるので、この場合、この中国人の方の53歳という年齢も考慮すると、この点からも帰化は厳しくなりそうだなと感じます。
まとめ
まとめると、おそらくこの中国人の方は自分の国に帰ることを余儀なくされると思いますし、日本に再入国して商売するというのも難しいと思われます。また帰化も非常に難しいです。
ビザの更新は素行が良いことも審査されるので、日本で継続して働きたいとか、ご家族がいるから日本にいたいという人は、日本のルールをしっかり守ることは大事だと思います。
